◆ はじめに
宇都宮といえば餃子の街として全国的に知られているが、実はそのラーメン文化も見逃せない。
今回私が足を運んだのは、青竹手打ち麺の技と、黄金色に澄んだスープが輝く「麺伝 とも」。
宇都宮にいながら、本場佐野の魂を継承する本格佐野ラーメンを提供する希少な一軒だ。
◆ 1. 青竹打ち――「麺」に宿る職人の矜持
厨房脇に設えられた「打ち場」では、青竹を使って力強く麺を打つ職人の姿が見られる。
佐野ラーメンの代名詞である“青竹手打ち”は、麺に特有の弾力と喉越しを与える。
不均一な太さの麺は、プリッとした外皮とモチッとした芯が絶妙なコントラストを描き、
スープを纏う力が圧倒的に強い。いわば“スープを纏うために存在する麺”だ。
◆ 2. 琥珀の一杯――スープの美学
スープは鶏・豚・野菜・煮干などから引き出された出汁に、
3種の醤油を合わせて構成される琥珀色のスープ。
香味油は控えめながら、口に含んだ瞬間にじわっと広がる旨味が特徴。
その味設計は淡麗でありながら芯が通った精緻なバランス。
後味の引きの美しさは特筆すべきもので、何口でも飲みたくなるスープだ。
◆ 3. バランスという芸術 ― 「とも盛り」の妙技
具材構成の完成度も高い。「とも盛り」はチャーシュー2枚・味玉・海苔3枚のトッピングセット。
チャーシューは肩ロースの薄切りで、脂控えめでも旨味は濃い絶妙な仕上がり。
味玉は黄身がねっとり半熟、海苔はスープを吸うことで磯の香りを加え、全体にふくよかさを与える。
それぞれが主張しすぎず、見事な調和を奏でている。
◆ 4. サイドメニューの再設計された定番
餃子やとも飯(チャーシュー丼)といったサイドも完成度が高い。
餃子は厚めの皮にジューシーな餡が詰まり、香味野菜を抑えた設計。
とも飯は甘めのタレと刻みチャーシューがご飯に絡み、セットとしての満足感を大きく引き上げている。
今回は餃子3個ととも飯を頂きました。
◆ 5. 平日限定「とも二郎」という挑戦
平日限定メニュー「とも二郎」は、佐野ラーメンに背脂とガッツリ感を加えた異色の一杯。
伝統と革新のバランスを追求した試みとして興味深い存在だ。
惹かれるものがあったが、初めてということもあり基本のラーメンを選択
◆ 結語:佐野ラーメンの“本質”を宇都宮で味わう
「麺伝 とも」は、“本物”の佐野ラーメンを宇都宮で味わえる貴重な一軒だ。
麺・スープ・具材・構成のどれにも妥協がなく、青竹手打ちという技法の文化的継承も行っている。
宇都宮を訪れた際は、ぜひ一杯体感してほしい。
◆ 店舗情報
- 店舗名:麺伝 とも
- 住所:栃木県宇都宮市西川田本町1-6-11
- アクセス:東武宇都宮線 西川田駅 徒歩約14分
- 営業時間:11:30〜15:00/18:00〜21:00(火曜定休、日曜夜休)
- 駐車場:18台(第1+第2)
- 予算目安:1,000〜1,300円
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